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無症候性キャリアの場合

無症候性キャリアとは、確かにB型肝炎ウィルスに感染はしていますが、特に明確な症状が現れていない状態のことをいいます。

B型肝炎の無症候性キャリアでも給付金はもらえる?

医療費

確かに、無症候性キャリアだと明確な症状がありません。

しかし、B型肝炎ウィルスを持っていることに違いはないので、人に感染させてしまう恐れがあります。

また、いつ肝炎になるかもわからないので、定期的な検査が必要です。

そのため、対象者と認定されれば、訴訟を起こしたとしても和解金をもらうことが可能となります。

【無症候性キャリアの場合】※除斥期間内
  • B型肝炎給付金額 600万円
  • 訴訟にかかる弁護士費用 24万円程度
  • 特定B型肝炎ウィルス感染者であることを確認する検査費用

無症候性キャリアの場合は、除斥期間が感染時から換算して20年となっていて、それを過ぎると、特定無症候性持続感染者、という扱いになります。

【特定無症候性持続感染者】※除斥期間経過後
  • B型肝炎給付金額 50万円
  • 訴訟にかかる弁護士費用 2万円程度
  • 特定B型肝炎ウィルス感染者であることを確認する検査費用
  • 慢性肝炎等の発症を確認するための定期検査費
  • 母子感染防止のための医療費
  • 世帯内感染防止のための医療費
  • 定期検査手当

無症候性キャリアで、特に症状が出ていないからといって安心することはできません。無症候性キャリアの約10~20%は、慢性肝炎に発展しています。さらに慢性肝炎になると、肝硬変、さらには肝癌へと発展することがあります。

特に、出産時や乳幼児期に感染した場合、免疫機能がうまく働かず、そのままキャリア(持続感染者)となる可能性が高くなります。

仮にキャリアとなった場合、成長するに従い免疫力が増加するため、B型肝炎ウィルスを排除しようと働きだします。そしてこの働きというのが、肝臓の細胞にも悪影響を及ぼすため、成人してから肝炎を発症することもあるのです。

このように、無症候性キャリアは、発症していないからといって、安心はできません。

無症候性キャリアだからといって安心できない理由

無症候性キャリアとは、肝機能障害を発症していない、B型肝炎ウィルスの感染者を指す言葉です。現在症状がないとしても、将来的な発症のリスクに備え、給付金の支払い対象とされています。

通常、成人の肝臓にB型肝炎ウィルスが感染した場合、侵入したウィルスを排除しようとする免疫反応が体内に生じます。そのため一時的に症状が現れますが、多くの場合ウィルスは自力駆除され、一過性の発症で終結します。

一方出生時の母子感染や乳幼児期に何らかの外的要因でウィルスに感染した場合、身体がまだ異物と認識できず免疫機能が働きません。結果症状が現れないままウィルスに感染した状態が持続し、無症候性キャリアとなります。

無症状性キャリアの状態と血液中に生じる変化

無症候性キャリアとして一生涯症状が現れない人もいますが、中には成長に伴い免疫機能が発達した結果、ウィルス排除の免疫反応が生じて肝炎を発症するケースもあります。

たとえば乳幼児期に感染から無症状性キャリアの期間を経て、10~30代になって肝炎発症というパターンです。ただしこうした方々の80~90%は症状も軽く、肝機能障害に及ぶことなく回復しています。

こうした発症例の血液中には、以下の変化が生じています。

1.B型肝炎ウィルスの有無を示すHBe抗原が消失し、HBe抗体(B型肝炎ウィルスを排除するための抗体)が出現。HBe抗体が陽性となる。

2.B型肝炎ウィルスの増殖が抑えられ、症状が現れにくい状態となる。

HBe抗原はB型肝炎ウィルスの有無を示す抗原なので、消失してHBe抗体が出現するということはB型肝炎の症状自体が回復しているということになります。

無症状性キャリアから肝硬変や肝がんに進行するリスクも

B型肝炎ウィルスの感染の状態は、感染期間によって2つのタイプに分けられます。

  • 一過性感染:一時的に肝炎の症状が現れた後、ウィルスが排除される。

主な感染ルート

B型肝炎ウィルスのキャリアとの性交渉、その他消毒が不十分な医療器具を用いた医療処置、注射器の使い回し、B型肝炎ウィルスのキャリアの体液が付着した歯ブラシ、カミソリなどの使用など

  • 持続感染:半永久的に感染した状態が続く(無症候性キャリアを含む)。

主な感染ルート

母子感染、乳幼児期のB型肝炎キャリアの血液や体液への接触など

さらに肝炎発症後は症状の違いから3つのタイプに分けられます。

  • 急性型:感染後1〜6ヶ月の間に全身の倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状が現れる。
  • 劇症型:急性型の症状が進行し、肝不全や意識障害が生じる。死亡率は70~80%。
  • 慢性型:特有の症状はないが、持続すると肝硬変、肝がんに進行しやすい。[注1]

一過性感染では急性型、劇症型になりやすいのに対し、無症候性キャリアに多くの発症例が見られるのが慢性型です。

慢性型は、進行すると肝硬変や肝がんを発症するリスクがあることに加え、ごくまれに強い肝障害を伴う急性憎悪(急性B型肝炎)に進行する場合もあります。

実際に、無症候性キャリアだった82歳の男性が、明らかな誘因なく肝炎を発症、その後短期間のうちに劇症型の症状が現れ死亡したという事例も報告されています。[注2]

無症候性キャリアの状態から慢性型の肝炎を発症した場合、慢性型では目立った症状がないため、血液検査をしなければなかなか発見することができません。

慢性肝炎は早い段階で発見されれば、薬物治療等で進行を防ぐことができますので、無症候性キャリアの方は必ず定期的に医療機関を受診するように心がけましょう。

無症候性キャリアの必要書類の入手方法と経緯

書類

無症候性キャリアとしてB型肝炎給付金を受け取るには、裁判所を通じて国と和解せねばならず、訴訟を提起する形が求められます。

「裁判所」「訴訟」「和解」と聞くと大変そうなイメージですが、裁判で国との間で勝ち負けを争うわけではありません。

B型肝炎訴訟は、国が定めた資料を原告側が準備し、それをもとに和解を進める手続き。必要書類を漏れなく準備することがポイントとなります。

準備すべき書類は多岐にわたる

B型肝炎給付金請求に際しては、集団予防接種などの直接感染者の一次感染者と、母子感染者である二次感染者では、準備すべき書類と照明すべき内容が異なります。

一次感染者

以下の内容を証明する医療カルテや検査結果などの書類を準備する必要があります。

  • 本人が持続感染している
  • 特定期間に7歳未満で集団予防接種を受けている
  • 母子感染ではない
  • 集団予防接種以外の感染原因が見当たらない

二次感染者

以下の内容を証明する医療カルテや検査結果などの書類を準備する必要があります。

  • 母親(もしくは父親)が持続感染している
  • 母親(もしくは父親)が7歳未満で集団予防接種を受けている
  • 母親(もしくは父親)の親からの感染ではない
  • 母親(もしくは父親)に集団予防接種以外に感染原因が見当たらない
  • 自身が持続感染している
  • 母親(もしくは父親)から感染している

なお、無症候性キャリアでは無い場合、一次感染者、二次感染者共に病気の診断書もしくは死亡診断書の準備も必要です。

給付金請求の流れ

給付金の請求は、国に損害賠償を求める訴訟を起こす形で行います。

  1. 一次感染者もしくは二次感染者であることを証明すべく、原告側で必要な書類を準備する。
    (弁護士に依頼をする場合、この段階で書類をもとに給付金請求に必要な救済条件を満たしているかどうかなどを判断してくれる)
  2. 国へ給付金を請求する訴状を、印紙などと共に裁判所に提出し、訴訟を提起。
  3. 裁判所の手続きで原告と国との和解が成立すれば、給付金が支払われる。

必要書類の入手は弁護士に相談を

B型肝炎訴訟に必要な書類には、古いカルテや検査結果も含まれます。独力で全て準備することは、現実的に非常に困難であるといえます。ここで相談先として見過ごせないのが弁護士です。

以下のような弁護士事務所を選ぶといいでしょう。

  • 親身に話を聞いてくれる
  • わかりやすく説明してくれる
  • 医療訴訟に強く、B型肝炎訴訟の実績が豊富
  • 報酬の金額が適正

多くの弁護士事務所では、無料相談窓口を開設しています。電話、あるいは予約制での面談形式などさまざまですので、候補先となる弁護士事務所のホームページを通じて、どのような対応が期待できるのか確認しましょう。

無症候性キャリアでも給付金を受給することができますし、症状が進行すれば追加救済が受けられます。病状確認のための検査費用についても受け取ることができますので、給付金の対象である場合は早めにアクションを起こしましょう。

[注1]一般社団法人日本肝臓学会:慢性肝炎,肝硬変[pdf]

[注2]一般財団法人 日本消化器病学会:明らかな誘因なく劇症化した高齢者無症候性 HBV キャリアーの 1 例[pdf]

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