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B型肝炎給付金の期限延長について解説

給付金

B型肝炎給付金の請求期限が、平成29年1月12日から平成34年1月12日へと5年延長されました。どうして請求期限が延長されたのか、その背景を解説していきます。

請求期限はもともと平成29年までだった

昭和23年の7月1日から、昭和63年の1月27日までに受けた集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染した人、もしくは集団予防接種を受けた親からB型肝炎を受け継いだ人は、国に対して「B型肝炎給付金」を請求できます。

集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染する人が出たのは、当時「注射器の使い回し」が行われていたからです。

集団予防接種自体は、昭和23年の7月に施行された「予防接種法」という法律に基づいて行われており、簡単にいうと国の責任で行われています。そのため、集団予防接種における注射器の使い回しが原因でB型肝炎になった人たちが国に対して訴訟を起こし、最高裁判所まで行って争った結果、国はB型肝炎で苦しんでいる人へ補償をすることになりました。

ただ、B型肝炎と思われる患者数は膨大なので、一人一人個別に国に対して訴訟を起こしてもらうことは大変です。そこで、最高裁の判決を受け、平成24年1月13日に「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」という特措法ができました。[注1]

B型肝炎の特措法を簡単にいうと、被害者が国へ起こす訴訟手続きを簡略化するための法律です。手続きとしては訴訟という形になりますが、必要な資料を揃えていれば、実際に法廷に立つことなく給付金を払ってもらえます。

そして、B型肝炎給付金の特別措置法第5条で、給付金の請求期限は平成29年の1月12日とされていました。法律の施行から5年間が、B型肝炎給付金の請求期限だったわけです。

平成28年の5月13日に5年間の延長が決まった

しかし、平成28年5月13日の国会で、「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が可決されました。[注2]

この法律は、もともと平成29年1月12日までだったB型肝炎給付金の請求期限を5年延長して、平成34年1月12日に伸ばすというもの。参議院の本会議では、288名中288名の賛成という全会一致で可決されています。

B型肝炎に悩んでいる人にとって、請求期限が5年延びることはとても大きな変化です。ただ、どうして法律を変えてまで請求期限を5年伸ばしたのでしょうか。

請求期限が延長されたのは請求する人が少なかったから

B型肝炎給付金の請求期限が平成34年1月12日までに伸びた理由は、給付金を請求する人があまりにも少なかったからです。

請求期限の延長について検討している政府の資料によると、集団予防接種を原因とする被害者は、国内に約45万人いるとされています。[注3]

しかし、平成24年にB型肝炎給付金の特措法ができてから、平成27年の12月までの約4年間で、実際に給付金の請求手続きを利用したのは約3万人しかいませんでした。パーセンテージでいうと、全体のたった6.4%の人しか給付金を受け取っていません。

最高裁で争ってまで給付金の支給を決定したにもかかわらず、90%以上の被害者を放置したまま特別措置法の請求期限を迎えるというのは、国としてかなりの問題です。

なぜ給付金の請求者が少なかったのかというと、

  • そもそもB型肝炎にかかっていることに気がついていない
  • B型肝炎であることは知っているものの給付金がもらえることを知らない
  • 「どうせ申請しても給付金なんてもらえない」と思い込んでいる
  • 給付金の請求に必要な証拠書類を集めることが難しい

といった事情があるのではないかといわれています。

請求者が増えるなか期限切れを迎えることを避けた

ただ、経過を見てみると、平成27年になってから月間で1,000人以上の人が請求手続きをするなど、徐々に利用者は増えていました。

B型肝炎給付金をもらうためには、自身がB型肝炎である証拠、集団予防接種や母子感染が原因でB型肝炎にかかったという証拠など、非常に多くの書類が必要です。また一般的に、訴訟手続きは結果が出るまでかなり時間がかかります。

請求期限まで1年ほどしかない状況で請求が増えていけば、いずれ「きちんと書類を準備して請求したのに、特措法の請求期限が切れてしまったから給付金がもらえない」といった事態が起こってしまう可能性があったのです。

もし、こういったトラブルが起きれば、世論の反発もあるでしょう。B型肝炎給付金の請求期限が5年延長されたのは、被害者救済のためにつくられた法律であること、利用率を考えればまだまだ給付金やB型肝炎の周知が足りないことなどを踏まえた結果だと考えられます。

これまで給付金を諦めていた人にもチャンスがある

給付金の申請期限が伸びたことで、これまで給付金がもらえると気づいていなかった人も請求できるようになりました。また、当初の特措法では、B型肝炎になってから20年経過すると請求権が消えてしまうことになっていました。

しかし、平成28年8月1日に行われた改正で、B型肝炎になってから20年以上経っている人でも条件によっては給付金がもらえるようになるなど、より被害者が利用しやすいルールに変更されているのです。

  • 給付金をもらえるかどうかわからない
  • 手続きが面倒でやりたくない
  • これまでは忙しくて手続きできなかった

など、これまで給付金を諦めていた人は、積極的に給付金の請求手続きを行いましょう。

申請手続きには半年から1年ほどかかるので準備はお早めに

先ほども少し触れましたが、B型肝炎給付金の請求には半年から1年ほどの時間がかかります。今回は平成29年の期限を前に5年期間が延長されましたが、平成34年の期限直前に、再度期限の延長があるかどうかはわかりません。

B型肝炎給付金は、被害者が自ら動くことで初めて受給できるお金です。ある程度時間がかかることを想定して、平成34年1月12日の直前ではなく、できるだけ早い段階で準備することをおすすめします。

[注1]厚生労働省:特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法[pdf]

[注2]参議院:議案情報 第190回国会(常会)

[注3]厚生労働省:特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案(概要)[pdf]

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