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相続人がB型肝炎の給付金を受け取るケースについて

給付金

B型肝炎ウイルスに感染することで発症する「B型肝炎」。感染経路は複数ありますが、このうち国が実施していた集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染した人は一定の条件のもと、給付金を受け取れる仕組みになっています。

ではB型肝炎を発症した家族が亡くなった場合、相続人となる遺族が本人に代わって給付金を受け取ることはできるのでしょうか?ここでは、遺族が受け取ることができるB型肝炎の給付金についてわかりやすく説明します。

B型肝炎の給付金の基礎知識

B型肝炎ウイルスの感染経路は、母子感染による垂直感染と輸血や刺青による水平感染の2パターンがあります。日本では、戦後から1988年頃までに実施された集団予防接種における注射針や注射筒の使い回しにより、B型肝炎ウイルスに感染する人が増加しました。

国は1948年に、器具に使い回しによる危険性を認識していたにもかかわらず、これを放任。その結果、B型肝炎ウイルスは広く蔓延してしまったのです。推定150万人程度といわれるB型肝炎ウイルス保有者(キャリア)のうち、約30%は集団予防接種による感染とされています。

集団予防接種によってキャリアとなった被害者たちは国を相手取って訴訟を起こし、2011年6月28日に国との間で基本合意が締結。翌年1月13日には特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法が施行され、訴訟で和解などが成立した人を対象に、国が給付金等を支給することになっています。

相続人がB型肝炎の給付金を受け取ることも可能

厚生労働省によると、B型肝炎の給付金支給の対象となるのは、以下の条件に該当する人です。

  1. 7歳になるまでに、昭和23年7月1日~昭和63年1月27日の間に実施されていた集団予防接種等を受けた際、注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染した人
  2. 上記の人から母子感染した方
  3. 1または2の相続人

つまり、B型肝炎ウイルスに感染した本人だけでなく、その相続人もB型肝炎の給付金を受け取ることができるわけです。[注1]

ただし、給付の対象者の認定は裁判所による和解手続きなどによって行われるため、給付金の支給を受けたいと思ったら国に対し、損害賠償を求める訴訟または調停を起こさなくてはなりません。その結果、支給対象者として認定された場合、B型肝炎ウイルス感染者給付金を受け取れるようになります。

[注1]厚生労働省:B型肝炎訴訟の手引き

相続人が給付金を受け取るまでの5つの手順

弁護士

B型肝炎ウイルス感染者が病気によって亡くなった場合、相続人は以下の手順で手続きを行います。

1.証拠資料の収集

B型肝炎ウイルスは感染経路が複数あるため、給付金を受けるためには国が実施した集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染したことを証明する必要があります。

具体的には医療機関などに医療記録等の請求を行い、証拠を提出してもらうことになります。

2.訴訟提起

国を相手取り、国家賠償請求訴訟を提起します。

3.和解協議

国との間で和解協議を開始します。場合によっては追加で必要な書類を提出するよう求められることもあります。

4.和解成立

給付金の支給条件を満たしていることが確認できたら、国との間で和解調書を取り交わし、和解成立となります。

5.給付金の支給

社会保険診療報酬支払基金に対して請求書を提出し、給付金の支給を受けます。

給付金の請求権を認めてもらうために必要な書類

B型肝炎ウイルス感染者給付金を受け取るには、以下の資料を用意する必要があります。用意する書類は一次感染者と二次感染者で異なりますが、ここでは一次感染者を例にとって見ていきましょう。

B型肝炎ウイルスに持続感染していることを証明する書類

以下2つを証明する資料のうち、いずれか1つを提出します。

  • 6ヵ月以上の間隔をあけた連続した2時点における、HBs抗原陽性、HBV-DNA陽性、HBe抗原陽性のいずれかの検査結果
  • HBc抗体陽性(高力価)

満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていることを証明する書類

以下3つのうちいずれか1つを提出します。

  • 母子健康手帳
  • 予防接種台帳
  • 上記2つを提出できない場合、事情を説明した陳述書や接種痕が確認できる旨の医師の意見書、住民票または戸籍の附票など

集団予防接種等における注射器の連続使用があったことを証明する書類

母子健康手帳または予防接種台帳を資料として提出している場合は不要ですが、それ以外の場合は戸籍謄本などによって出生時期を確認することになります。

母子感染でないことを証明する書類(一次感染者の場合)

一次感染者の場合は母子感染でないことを証明するため、以下2つのうちいずれかの書類を提出します。

  • 母親のHBs抗原が陰性かつHBc抗体が陰性の検査結果
  • 年長のきょうだいのうち一人でも持続感染者でない者がいること(母親死亡時のみ)

その他集団予防接種等以外の感染原因がないことを証明する書類

  • カルテなどの医療記録
  • 父親と感染者のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査結果(父親がB型肝炎ウイルスの持続感染者である場合)
  • 感染者のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeでないことを証明する検査結果

弁護士に依頼して訴訟準備を進めるのがベスト

B型肝炎訴訟は個人でも提起できますが、感染者がすでに死亡している場合は弁護士などプロに相談する方法がおすすめです。

上記でも説明しましたが、B型肝炎訴訟を起こすためにはかなりの数の資料を用意する必要があります。

中には感染者が生存していないと入手困難なものもあり、死亡後にすべての資料を不備なく揃えるのは並大抵のことではありません。

感染者が死亡した場合を考慮した条件も設けられていますが、あちこち奔走して手に入れなければならないものも多く、個人で対処するのは難しいと言えます。

一方で、B型肝炎ウイルス感染の給付請求期限は平成34年1月までと有限なので、対処を急がなければなりません。

弁護士であればB型肝炎訴訟についても詳しく、どうすれば必要な書類がそろえられるか把握しています。プロに相談して、助けを借りながら準備を進めていきましょう。

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