B型肝炎給付金制度HOME » B型肝炎訴訟(裁判)の基礎知識

B型肝炎訴訟(裁判)の基礎知識

B型肝炎訴訟は裁判です。ここでは、裁判の流れや実際の手続きに関して、体験談など、気になる内容について紹介していきます。

よくわかるB型肝炎訴訟

裁判

まずは、そもそもB型肝炎訴訟が行われる経緯を紹介します。
個人が訴訟を起こし、給付金を受け取れるようになったのは、その前に訴訟を起こし、国からの基本合意を勝ち取った経緯があるからです。

次に、訴訟の流れを紹介します。書類集めから始まり、実際に訴状を提出すると、どのように裁判が進んでいくのか見ていきましょう。

一番気になるのが、弁護士費用ではないでしょうか。

B型肝炎訴訟は個人で起こすことも可能ですが、専門的な手続きや出廷などもあり、弁護士に依頼するのが一般的で効率が良いでしょう。
しかし、弁護士費用がかかることも事実です。高いイメージのある弁護士費用について、B型肝炎訴訟の相場と、その後の補助金について説明します。

では、法律事務所はどこでもいいのでしょうか。

B型肝炎訴訟は流れ作業的に進みます。法律事務所による成果に違いはありません。
しかし、それぞれの弁護士費用は少しずつ違ってきます。そうした費用周りのポイントについてもまとめてみました。

そのほか、体験談についてもご紹介。訴訟が必要であるとわかっていても、なかなか一歩踏み出せないものです。実際に、B型肝炎訴訟を起こした方の声を聞いて、起こしてみて良かったのか、負担はどうだったのかなどをみていきます。

最後に、難しい用語について、箇条書きで説明しています。

それでは、それぞれをみていきましょう。

その概要

B型肝炎訴訟とは、集団予防接種における注射針の連続使用が原因でB型肝炎ウイルスに感染した患者5名が、平成元年に国を提訴したことに端を発します。平成12年の第一審判決では国が勝訴するものの、平成16年の第二審では国が一部敗訴。

平成18年の最高裁で、やっと国の損害賠償責任が認められました。その結果を受け、該当する患者が全国各地で国を提訴する動きはあったものの、行動を起こした一部の限られた人のみが和解するに留まりました。

そのため原告団5名は、全国のB型肝炎ウイルス感染者を救済するための制度作りに尽力し、結果平成24年に「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」の施行に至りました。

これにより裁判で給付金の対象者と認められれば国との和解成立となり、給付金が支給されるようになっています。

>>その概要

訴訟の流れ

B型肝炎ウイルス感染のための給付金を受け取るためには、国を相手取り民事裁判を起こさなければなりません。提訴するには、集団予防接種によりB型肝炎ウイルスに感染したという証拠になる書類の収集が必要です。

母子手帳や医療機関のカルテ、各種検査結果などそれぞれ個人で国の指定する書類を揃えなければなりません。その書類とともに訴状を作成し提訴することになります。

国が相手の民事裁判は何かと難しいことも多く、裁判に慣れていない個人がすべてを行うのは大変なので、弁護士に一任するのがおすすめです。書類に不備がなくB型肝炎給付対象者だと認められれば、6カ月から1年程度で和解が成立し、給付金が支払われるでしょう。

>>訴訟の流れ

弁護士費用の相場

B型肝炎訴訟は弁護士に依頼するのが一番手間のかからない方法です。その際に気になるのが弁護士費用でしょう。弁護士費用は各法律事務所で自由に設定できるため、一律の金額が決められているわけではありません。

訴訟が和解に至れば、国から給付金額の4%が弁護士費用の補助金として支給されます。できるだけ費用が安い事務所に依頼をすれば、過剰に弁護士費用について心配する必要もありません。

しかし、手続きを開始する前にどこからどこまでの範囲を代行してくれるのかは確かめておきましょう。費用が安いところに依頼しても、結局は追加料金がかかることもあるものです。費用対効果、トータルに考えて適切な事務所を選びましょう。

>>弁護士費用の相場

法律事務所の選び方

今まで裁判とは無縁だった人は、どこの法律事務所に依頼すべきか迷うのではないでしょうか。法律事務所は特に専門分野を決めていなくても、刑事事件、債務整理、離婚問題、交通事故、医療問題など、得意・不得意の分野が少なからずあります。

できればB型肝炎訴訟の実績があり、患者の気持ちに寄り添ってくれる事務所をおすすめします。有名な大手事務所は難しい案件を抱えるため費用が高いイメージがあります。

B型肝炎訴訟に関しては、国が責任を認め、補償内容や給付金額もきちんと定められている和解のための手続きです。ほかの難しい案件とは異なり、シンプルで必要書類さえ揃えば勝てる裁判ですので、できるだけ実績の多く、かつ安い料金の事務所を探すと良いでしょう。

>>法律事務所の選び方

提訴した人の体験談

B型肝炎ウイルスに感染していても自覚症状のない人も多く存在します。しかし、体調が悪くなり慢性肝炎や肝臓がんが発見されるケースもあります。

実際にB型肝炎訴訟を起こした人たちの体験談によると「母子感染であることが分かり、親子とも給付金が支給され高額の医療費がまかなえた」「慢性肝炎になり体調が悪く気分も落ち込んだが、動けないため弁護士さんが奮闘してくれて給付金がもらえることになった。経済的な不安もなくなり気持ちが軽くなった」という生の声が参考になります。

B型肝炎ウイルスに感染している人は、早いうちに感染源を特定することをおすすめします。今はまだ無症状でも、そのうち病状が進行すれば動くこともままならず訴訟の手続きも難航してしまいます。

>>提訴した人の体験談

【番外】知っておきたい用語集

昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までに生まれた人で、7歳になるまでの幼少期に予防接種を受けたことがある人は、B型肝炎ウイルスの保菌者になっている可能性があります

こう言われてもピンとこない人も大勢いるでしょう。生年月日は該当するけど、健康だから大丈夫と、無関心のままの人もいると思います。しかし、今は大丈夫でもそのうち発症しないという保証はありません。

特に定期的に健康診断などを受けていない人は、保健センターや医療機関で無料の検査を行っておくと安心です。そもそも、何が問題になっているのかよくわからないという人は「【番外】知っておきたい用語集」でB型肝炎や訴訟に関する理解を深めておきましょう。

>>【番外】知っておきたい用語集

HBV塩基配列比較検査が必要となる2つのケース【B型肝炎】

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の対象となる人は、以下の2種類に分かれます。予防接種で注射器の連続使用によりB型肝炎ウイルスに感染した本人(一次感染者)、一次感染者の父親か母親から感染した子ども(二次感染者)の2通りです。

他の原因によるB型肝炎ウイルス感染者に対しては、国は給付金を支払いません。ここが最大の争点になる部分です。つまり、根本的な感染の原因が予防接種によるもの、という事実をハッキリさせる必要があります。

そのための検査が「HBV塩基配列比較検査」です。たとえば家族にB型肝炎ウイルス保有者がいた場合、家族間の感染なのか予防接種による感染なのか、「HBV塩基配列比較検査」で感染経路が判断できます。予防接種から感染した因果関係が認められれば、給付金が支給されます。

>>HBV塩基配列比較検査が必要となる2つのケース【B型肝炎】

B型肝炎の給付金訴訟に必要なカルテ開示について

B型肝炎ウイルスは、集団予防接種の一次感染や二次感染となる母子感染以外にも、他の感染経路が考えられます。他の原因によるものだった場合は、予防接種との因果関係が認められず国からの給付金は認められません。

そのため、医療機関を受診した際のカルテ等の医療記録を通して、他の原因となる感染経路があったかどうかの確認が必要になります。保菌者か発症者か、父親が感染者であるか、など個人の状況に応じて用意する書類も異なります。

古いカルテが必要な場合は、病院によっては処分していることもあるでしょう。その代替として必要になるのは何があるか、個人で不備なくすべての書類を収集することはかなり大変です。

また、患者本人以外にカルテを開示することに懸念を示す医療機関もあります。その点、医療訴訟に強い弁護士なら、スムーズにカルテが開示されるでしょう。

>>B型肝炎の給付金訴訟に必要なカルテ開示について

給付金対象かも?B型肝炎の抗原・抗体で母子感染を決めつけてはいけない理由

B型肝炎ウイルス感染の最大の原因が、母子感染であると言われています。集団予防接種が原因の一次感染の疑いのある人は、まず母親からの感染ではないことを立証する必要があります。

そのために、母親の血液検査結果が重要になります。検査では、B型肝炎ウイルスの抗原や抗体を調べるためのウイルスマーカー検査が行われます。これにより、感染しているか・過去に感染していたか・感染力の強弱などがわかります。

その結果をもとに、母子感染でないことが立証されれば給付金の対象となります。

>>給付金対象かも?B型肝炎の抗原・抗体で母子感染を決めつけてはいけない理由

B型肝炎ウイルス(HBV)の2つの感染様式と治療法

B型肝炎ウイルスに感染しても、症状があらわれない不顕性感染と症状があらわれる顕性感染の2種類があります。症状があらわれない不顕性感染であっても、保菌者であることに変わりはないため、新たな感染源となってしまわないように注意が必要です。

急性肝炎になると自覚症状のないまま病状が進行し、肝機能が低下して黄疸(白目や肌が黄色っぽくなる症状)が出てから初めて気がつくということもあります。また、劇症肝炎は症状が重く、発症すると命に関わる危険な病気です。

治療は、投薬や血液透析を行いますが、重症だと肝移植が必要になることもあります。慢性肝炎の患者は、肝硬変を防ぐための投薬や免疫療法などを行います。国と和解が成立すれば治療費も給付されます。

症状が悪化して治療費が高額になっても、追加給付金を受け取ることができるため、費用面では安心です。

>>B型肝炎ウイルス(HBV)の2つの感染様式と治療法

▲ページトップ